11月5日(木) ととナビvol.71 トントコシロエビ
今日は錦江湾のとんとこ網で獲られるエビのお話です。それは、ナミクダヒゲエビでもなく、ヒメアマエビでもなく・・・
トントコシロエビ
クルマエビ科アカエビ属シロエビ。「赤いのか白いのかどっちなんだ」といいたいです。が、実際は何色をしているのかというと、オレンジ色をしています。
きれいなエビですね。このエビはもともと日本では見つかっていなかったエビなんだそう。。。
そもそも錦江湾には、近縁種のシロエビとミナミシロエビ(どちらもクルマエビの仲間)がいました。シロエビとミナミシロエビは見た目がそっくりで、生殖器の形を見ないと識別ができません。いかがですか?
シロエビ ミナミシロエビ
で、2000年を過ぎたころに、これらのどちらでもない第3のエビが錦江湾で獲れたんです。調べてみると、日本にはいないはずのエビであることがわかりました。名前はメタペナエオプシス・シボガエ(学名)。大きさは8㎝くらいです。
このエビはインドネシアの近海にすんでいる南方系のエビで、日本近海で発見されたのは初めてでした。日本初記録種として2004年に論文発表したところ、そのあとどんどん増えて錦江湾のエビの中の優占種の一つになってしまいました。いちばん深いところではなく、水深130~180mくらいのところでたくさん獲られます。
シロエビやミナミシロエビは以前は網に入っても捨てられていましたが、この第3のエビが出現して獲れる量も増えてきて、出荷されるようになりました。3種の中でいちばん多いのは、今や第3のエビです。まさかメタペナエオプシス・シボガエという名前で売るわけにもいきませんので、トントコシロエビという和名を付けました(もちろんトントコはとんとこ網に由来します)。
これら3種類のエビはとてもよく似ていますが、トントコシロエビは額角(がっかく)と呼ばれる“つの”が長いのが特徴です。
お店では、“あたま”の部分がとられた「無頭えび」として3種が区別されずにパック入りで売られています。「しらさえび」という名前で売られていることも多いですが、きちんと「トントコシロエビ」と表示しているところもあるそう。
無頭でから揚げ用として売られていますが、大富先生は、ヒメアマエビのように、頭付きのまま流通させたいと思っています。
3種で味にちがいはありません。お刺身ももちろんいいですが、おすすめの食べ方は塩茹で。マヨネーズをつけるとよりおいしいですよ。
最後にもう一度!
頭が付いている方が絶対においしいです。